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破産後の将来
平成20年の1年間で破産の申立をした人は、13万人弱と言われています。この破産件数は平成15年をピークに年々減少傾向にはありますが、これは単純に多重債務者が減少している訳ではありません。破産件数の減少の背景には、平成13年より施行されている個人再生手続きや、平成14年より施行の特定調停手続き等の利用件数が増加している事、加えて弁護士等による任意和解等の債務整理の利用が増加した事等があります。これらを全て含めると、まだまだ経済的破綻に陥っている人は多く、その数は全国で150万人以上とも伝えられているのです。
当然ながら、破産と無縁の生活をされている方は、破産とはどう言うものなのか余り理解されていないと思います。一般的に破産と言うと、それまでの債務が免除になる半面、様々な制限やデメリットがあると言われています。このデメリットには、官報にその破産の事実が掲載される、本籍地の破産者名簿に記載される(ただし免責までの期間)、破産後の約7年間の期間は信用情報機関にその事実が記載される、破産後の一定期間は定められた職業に対して資格制限がある、等です。
では、苦渋の選択となった破産ですが、逆にどんなメリットがあるのでしょうか。まず一般的によく知られている事に債務免除があります。破産の申立書が裁判所で受理された段階で、債権者はその債務者に対しての督促行為が禁止されます。更に、免責が認められると、その債務(租税等一部を除く)の支払義務が免除されるのです。ただし、この免責決定には、しかるべき正当な理由が厳格に求められます。ギャンブルや遊興費等による債務、破産に至るまでの不法行為等が認められると免責不許可になる可能性もあるのです。
裁判所で破産と免責が認められると、それ以降に得た収入や財産に関しては弁済の義務はなく、その使途も破産者の自由になります。また、破産の事実は官報や破産者名簿(こちらは免責までの期間)に記載されますが、戸籍や住民票へは記載されず選挙権も喪失しません。法的には、破産者を雇用している会社は破産を理由に解雇する事は禁じられていますので、勤務している会社を退職せねばならない事態にはなりません。ただ、資格制限を受ける業務に関しては何らかの支障をきたす場合はあるようです。また、破産と言うと全てを失うイメージがありますが、日常生活に最低限必要な家財道具や家電等は手放す必要はありません。海外旅行に関しても、パスポートも取得可能で渡航制限もありません。(ただし、管財事件の場合は引っ越しや旅行の場合は裁判所に申し出る必要があります。)
これまで述べたように破産において債務免除は大きなメリットになりますが、やはりデメリットの部分も否定出来ません。本来返済義務のある債務を免除出来る破産制度ですが、債権者の利益を著しく侵害した上で成り立っている制度だと言う事を忘れてはいけません。つまり、破産の最大のメリットは、裁判所によって人生をもう一度やり直す機会を与えられた事と言えるのです。
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