資格制限と復権

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資格制限と復権

個人、または法人が債務を返済できない状態に陥った場合の法的解決法として「破産」があります。従来は破産申し立てをして破産が認められてから、改めて免責の申し立てを行っていました。しかし、2005年1月に施行された「新破産法」によって、現在では破産申し立てと同時に免責申し立てもされたとする手続きに改正されたのです。

この改正は、近年増加の一途を辿る破産件数の状況を踏まえて、裁判所業務の簡易化と迅速化を図る意図も含まれているのです。また、免責を早期に決定する事で、破産申し立てをした破産者((破産手続開始の決定前までは、債務者と呼ばれます。)の利益に繋がる法改正とも言えます。従来は破産決定を「破産宣告」と呼んでいましたが、これも新破産法では「破産手続開始の決定」と改正されています。こちらも破産者の立場を配慮した改正と言えるでしょう。

ただし、この破産手続開始の決定が下りても、免責決定までの期間には幾つかの制限があるのです。その内の一つに職業に関する資格制限があります。以下に、破産手続開始の決定から免責決定までの間に資格制限のある職種の一部を挙げていきます。弁護士、司法書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、通関士、株式及び有限会社の取締役及び監査役、生命保険募集人、一般労働者派遣事業者、証券会社の役員や外務員、旅行業者、建設業法に定める建設業者、警備員、貸金業者、風俗営業及びその管理者、等になります。

意外ですが、次に挙げる職業は資格制限の対象にはなっていません。医師、薬剤師、看護士、古物商、教員、地方公務員、国家公務員(特別な職を除く)、建築士、宗教法人の役員、等は破産になっても資格は制限されないのです。 これらの資格制限はあくまで免責決定までの期間ですが、短期間とは言え従来行っていた業務が行えないと言うのは、破産者に取っては軽いペナルティとは言えません。

冒頭で、新破産法は破産者の立場を配慮した法改正と書きましたが、この資格制限で業務が停止して破産の事実が周囲に周知されてしまうケースは少なくないようです。なお、免責決定が下りると全ての資格制限は解除されて復権となります。経済的な破綻を経た破産者は、この免責決定が下りてようやく債務からは解放されますが、本当の意味での再建はこの時点がスタートになるのです。

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