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事実上の倒産

経済社会と言うのは、個々の会社が各々の業務によって得た収益のトータルを表す言葉ではありません。小さな歯車、中位の歯車、大きな歯車、巨大な歯車、これらが淀みなく円滑に機能してこそ健全な経済が形成されるのです。どんなに小さな会社でも、その経営破綻は多方面に影響を及ぼします。まして、経済全体を襲う巨大なダメージは計り知れない程の傷跡を残していきます。

大手のリサーチ会社は、この春の東北を襲った大震災の影響と見られる経営破綻が、震災発生から約半年の間で350件以上も発生したと発表しています。1995年1月に起きた阪神・淡路大震災によって引き起こされた震災関連の倒産件数が300件を超えたのは、震災発生から2年以上経過してからの時期であり、東日本大震災の関連倒産は実にこの3倍以上のペースで推移しているのです。

その倒産企業は、震災の直撃を受けた東北地方のみならず、関東や東海を始め、全国に拡がりを見せています。いかに経済と言うものが、多方面と絡み合って成立しているかを表していると言えるのです。

この倒産に関して、マスコミの報道でよく使われる言葉に「事実上の倒産」と言う言葉があります。この「事実上の倒産」とは、どう言う状態を表しているのでしょうか?法人の場合(広義では倒産の意味には個人も含まれます)、「事実上の倒産」と報道されるのは「会社更生法」や「民事再生法」、「破産法」、「特別清算」を裁判所に申請した場合、あるいは手形と小切手が決済出来ず2回目の不渡りを出して銀行取引停止処分を受けた場合になります。

この内の裁判所手続きの場合は債務超過に陥る、あるいは陥る恐れがある状態、後者は資金ショートで支払不能の状態を指します。この2つのケースは厳密には異なるのですが、一般的には同じく「事実上の倒産」として扱われることが多いのです。債務のカットによって再生可能な場合は「会社更生法」や「民事再生法」で会社の再生を図りますが、再生が不可能、あるいは再生の意思がない場合には「破産法」や「特別清算」を選択して残存資産の分配を行い会社の清算を行う事になります。いずれの方法を選択しても、各取引先には多大な影響を及ぼす事になり経営陣に取っては苦渋の選択には変わりないのです。

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